第7号
■発行日・・・2025年10月1日
バドミントンの楽しみ方について
前号の末尾に、世界バドミントン選手権大会(in パリ)の結果を記しました。このたび、夫婦で海外旅行ツアーに参加し、ドイツ、スイス、及びフランスを訪問することができました。フランスでは、自由行動の機会(9月13日午後)がありましたが、2024年オリンピック・パラリンピック大会のバドミントン会場だった<ポルト・ド・ラ・シャペル・アリーナ>を訪問できなかったのは残念でした。
私が勤める国公立大学は、今日(10月1日)から後期授業が始まります。私立大学は9月中旬から下旬に始まるところが多いので、長らく私学に身を置いていた筆者にとっては、いささか体調管理が難しいというのが本音です。特に、今夏は猛暑日が記録的に続いた関係で、私だけではなく学生たちも体調を崩したりしていないか心配です。
さて、今回は生涯スポーツ論からみたバドミントンの楽しみ方について述べます。これらは、拙著(岸,2019)の第2章に詳細を載せているので、興味がある方は是非ご覧ください。
楽しみ方の第1は、行うことです。行うとは、すなわちプレイすることです。つまり、羽根(シャトル)をラケットで打つ活動による楽しさの享受方法です。とはいっても初心者にとっては、シャトルをラケットで打つこと自体が難しいといえます。そのため、私の初心者用プログラムでは、前方から飛んでくるシャトルをラケットのガット部分で打つ(当てる)ような活動は、シャトルとラケットに慣れる、様々な練習課題を行ってから順次経験できるようにしています。最終的には、自分が思ったところに打ち込めることが楽しさにつながると考えています。
楽しみ方の第2は、みることです。みるという漢字は、「見る」「観る」「診る」「視る」「看る」などがあり、多岐にわたります。私は、大会の会場(体育館等)において他者のプレイを直接観戦するものとテレビなどのメディアを通して間接的に観戦(応援)するものが、その享受方法と考えています。ちなみに、私が初めてバドミントンに魅了されたのは、半世紀ほど前に代々木第2体育館でみた、<リム・スイキン選手>のジャンピング・スマッシュです。その時、私はバドミントンを行ったことがなかったのですが、彼のプレイにくぎ付けになり、いつかは自分もあのような選手になりたいと思い、大学生になってからバドミントンを始めました。
楽しみ方の第3は、支えることです。一人遊びとしてのバドミントンには、その場でラケットでシャトルを打つことや壁に向かって打つことなどがあります。しかし、楽しさには限界があります。次の段階は、打ち合う相手を見つけることです。まさに、「シングル」から「シングルス」の発生です。16世紀から17世紀頃にヨーロッパの上流階級の娯楽として行われていた羽根つき遊びに「Battledore and Shuttlecock」というものがありました。その最古の記録は、2人組で打ち合い2117回続けたようです。一人では気の遠くなる回数ですが、相手がいたからこそ、成し遂げることができたと考えられます。現代の競技バドミントンには、シングルスとダブルス(トリプルスを除く)があります。これはプレイヤーの人数による区分けです。公式試合の場合は、プレイヤーはもちろん指導者(監督・コーチ等)や審判、それに大会関係者や会場関係者などたくさんの方が関わっています。大雑把にいえば、プレイヤー以外の方、すべてが支えてくれているからコート上でプレイできているのです。これらの多くの方が、弁当や薄謝程度で支えてくれているのは、バドミントンが好きで楽しくてたまらないからに相違ありません。
楽しみ方の第4は、つくることです。これには、バドミントンに関わるイベントの企画を立て、実現することなどが考えられます。拙著では、大学生がフットサル大会を発案した事例を紹介していますが、ここでは近年盛んになっているクラウドファンディング(CF)での事案を考えてみました。CFとは、AIによれば「群衆(クラウド)」と「資金調達(ファンディング)」を組み合わせた造語で、製品開発や新規事業、社会課題解決などのプロジェクトに対し、インターネットを通じて不特定多数の方から資金を集めるものです。発起人の「思いやアイデアに共感した支援者」から資金を集めるため、従来の融資とは異なり、「共感」が資金調達の重要な要素となります。前号で、学校における運動部活動の地域移行(展開)に関しては、総合型地域スポーツクラブが関わることが良いと述べました。CFによる資金調達が叶えば、同クラブ内で技能レベル別の試合を冠大会として開催することが可能になるかもしれません。一方で、私はシャトルの羽根部分の材質を水鳥やプラスチックではなく、自然由来のもので製造することを以前提案しました。当時は、環境問題に対する世論がそれほど大きくはありませんでした。近年では、使用済みプラスチックが海へ漂流・漂着して海洋汚染につながり、動植物への影響が計り知れないといわれています。業者の方には、ぜひとも、環境に易しいシャトルの製造にできるだけ早く着手してほしいと願っています。