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第5号

■発行日・・・2025年8月1日

                 暑熱下のスポーツ活動について

日本は四季があり、温暖な気候で過ごしやすい国というのは以前のこととなりそうな気配がしています。毎日のニュースでは、最高気温が人間の平均体温(平熱)を超える38度以上の観測地点を報道しています。AIによれば、「猛暑日」は最高気温が35℃以上の日を指し、気象庁が定めた公式な予報用語であり、一方、「酷暑日」は最高気温が40℃以上の日を指し、日本気象協会が命名した俗称のようです。近年の厳しい暑熱現象は、地球温暖化が影響しているといえるでしょう。

 私が中学生や高校生だった50年前頃の記憶を辿ると、夏の暑さに耐える「根性」が美徳ともいわれていたように思います。スポーツ現場では、非科学的トレーニングがまかり通っていました。階段でのうさぎ跳び、練習中の水分補給の禁止、投手(ピッチャー)は水泳をしてはならない、練習時間は長いほうが良い、など枚挙に暇がありませんでした。監督やコーチの言うことはすべてが正しく、反抗すれば体罰(暴力)をふるわれることもあったといわれています。また、チームプレイや団体行動では、連帯責任という名のもとに、個人のミスでも全員で罰を負わされることがありました。

 現在のスポーツ指導者は、指導員やコーチの公認資格を持っている方がほとんどだと考えられます。そのため、資格取得のための学修や数年に一度の更新講習で科学的トレーニングの成果等を学び、日々の指導にあたっているはずです。学校での体育(保健体育)授業におけるスポーツ指導についても同様のことがいえます。教員免許の更新講習は廃止されましたが、もともと教員には研究と修養を行う「研修」の義務があるため、最新の教育事情やスポーツ科学的知見等に日々親しんでいることでしょう。

 今年6月には、文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課から「労働安全衛生規則の一部を改正する省令の施行に係る熱中症対策について」の通知がありました。それによれば、事業者(学校等)は熱中症が発生した際に対応できるよう「早期発見のための体制整備」や「重篤化を防止するための措置の実施手順の作成」を行い、その内容を関係作業者(生徒・学生等)に周知することが義務付けられています。具体的な対策としては、気温が高い日(目安:WBGT値(暑さ指数)が28以上又は気温が31℃以上の場合もしくはこれを超える恐れがある場合)は常時対応を要する、となっています。つまり、暑さ指数が28(厳重警戒)を超えると熱中症患者が著しく増加するので、そうなる前に予防することが肝要だということです。

 夏休みになり、連日の「猛暑日」報道の一方で、各種スポーツの全国大会等が続々と開催されています。そこでは、大会関係者のご苦労によって熱中症患者が出ないような工夫がなされていることと思います。上毛新聞(7月28日朝刊3面)によれば、全国高校総体のバドミントン会場(山口県)では、体育館の空調を低めに温度設定することの対策がなされることになっているようです。地方大会を含めて、空調設備のある体育館でプレイできる環境は、ほとんどないと考えられるので、今後はさらに改善されることを願っています。